温もりのある光沢が美しい伊勢春慶。 その器としての魅力や使い心地はいかに? 実際に用いているお店の方にうかがいました。
とうふやは、ただ食事をしていただくだけのお店ではなく、五十鈴川の四季折々の景色とお料理と器を楽しんでいただける場所です。 「これは伊勢春慶の器ですね。良いですね」とおっしゃるお客様もいらっしゃいますし、知らない方には「これは伊勢春慶なんですよ」とお話させていただいています。 伊勢春慶の魅力は、やはり温かみ。やわらかい感じがしますでしょ。うちでは豆腐田楽やちらし寿司などの器がありますが、旬菜を入れたりお豆腐を入れたりと、違う料理を入れても映えるやわらかさがあります。それでいて、あなごを丸ごと大胆に入れても耐えられるような強さもあります。 お客様にとっては、塗りの器でお料理を食べている贅沢感もあると思います。漆器は輪島塗などが有名ですが、「伊勢春慶はもっと日用の器として使っていたんですよ」と話をすると、「へぇー」と興味を持っていただきますね。あめ色で美しいですし、手にもなじみますので触ったりもされて喜んでいただいています。 これからも、料理も器も映えるうち独自の伊勢春慶を注文して使っていきたいですね。
うちはセイロがメインです。セイロの器はいろいろありますが、ザルを底上げしてボリューム感があるように見せるような既製品は使いたくなかった。最初から器は伊勢春慶にしようと決めていました。本来、伊勢春慶はもっと厚みがあるんですが、それだとちょっとやぼったくなる。そこで、板の厚さを5ミリほどに抑えた器を注文しました。薄くしたおかげで品が良くなり、とても満足しています。 つゆを入れるとっくりとお猪口は、バランスが合うようにすっきりとした白っぽい有田焼を選びました。けばけばしくなく全体がやさしい雰囲気で、ゆっくりとそばを味わっていただければ。 漆器ですので、扱いには多少手間もかかります。完全に水分を拭き取って保管しなければいけませんから。でもそれは承知の上。うちはそば自体手間のかかる作り方をしているので、それはそれで良いと思っているんです。